コンタクトレンズ
コンタクトレンズの種類
コンタクトレンズはその素材により大きく分けて2種類、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズに分けられます。
ソフトコンタクトレンズとは
ソフトコンタクトレンズは、水分を多く含んでいて柔らかく、「角膜(黒目)」全体を覆う大きさがあるレンズです。レンズケアの仕方、使用可能期間により、ソフトコンタクトレンズは、さらに大きく3種類に分けられます。
ワンデータイプ
1回使い切りで捨てるレンズです。
ワンデータイプは、毎日新しいものに取り替えるのでレンズケアが不要であることが特徴です。常に新鮮なコンタクトレンズを使うことができるので衛生的ですし、旅行やスポーツを楽しむ時にもケア用品を持ち運ぶ必要がありません。万が一の紛失への備えとしても、予備レンズを持っていくだけでよいですし、損失も少なくてすみます。しかし、毎日使用した場合のトータルの費用は、レンズケアをしながら使うタイプより高めになります。
頻回交換タイプ
定期的に新しいレンズに替えていく使用法をとるレンズです。「定期交換タイプ」と呼ぶ方がわかりやすいかもしれません。使用可能期間は、1週間、2週間、1ヶ月など、レンズの種類により異なります。
頻回交換タイプあるいは定期交換タイプは、ワンデータイプと次に述べるコンベンショナルタイプの中間型と言えるでしょう。レンズケアをしながら使用し、レンズ性能が大きく損なわれる前に新しいレンズに交換していく方法です。費用の点でも両タイプの中間です。
頻回交換タイプのレンズの中には、連続装用ができると謳われているものもあります。連続装用とは、ある期間、たとえば1週間装用し続け、夜もコンタクトレンズを外さずに眠ってもよい、ということです。ただし、連続装用は角膜への負担が大きいため、できる限り避けていただきたいと思います。
コンベンショナルタイプ
レンズケアをしながら、頻回交換タイプより長い期間使用することが想定されているレンズです。異常がなければ1年程度使用できるものが多いようです。
コンベンショナルタイプは、レンズケアをしながら同じレンズを長期間使用するので、費用的には負担が少なくなります。しかし、レンズに取りきれなかった汚れが溜まっていくため、それがアレルギー性結膜炎や角膜上皮障害の原因になることがあります。また、レンズやレンズケースに住み着いた細菌やアカントアメーバなどが重い角膜感染症を引き起こすことがあります。長く使う分、レンズケアやレンズケースのお手入れが特に大切です。レンズの装用感や見え方が使うにつれて低下することがあり、コンベンショナルレンズを使う方の割合は以前より減少してきたようです。
ハードコンタクトレンズとは
ハードコンタクトレンズとは、硬くて角膜よりも小さいサイズのレンズです。
殆どの場合、酸素を通す酸素透過性レンズです。まばたきにつれて涙に浮かんだ形で角膜上を動くので、角膜に酸素を十分届けることができます。また、角膜乱視の矯正に優れている、角膜に何かトラブルが生じた場合でも発見しやすい、といったメリットがあります。デメリットは、硬くて小さく、瞳の上で動いていますので、激しい運動やほこりっぽい場所には向かないこと、ソフトコンタクトレンズに比べると異物感があり、慣れるまで少し時間がかかることなどです。
処方の流れ
コンタクトレンズは、次のような手順で処方されます。
- 視力検査
- 問診・診察(涙液検査など)
- 装用テスト(レンズ種類、形状の決定)
- コンタクトレンズ装用下での視力検査、レンズ度数決定
- コンタクトレンズの取り扱い方法の説明
コンタクトレンズを安全に使うために
まずはレンズに合った使用方法に沿って使用をすることが大切です。
コンタクトレンズの使用を始めたら定期的に眼科で検診を受けましょう。気づかないうちに目の病気が進行していることがあります。コンタクトレンズは、見やすくするための道具ですが、同時に、眼にとっては大きな「ゴミ」でもあるのです。
少しでも目の異常を感じたら定期検診まで待たず、すぐに受診しましょう。
コンタクトレンズは「高度管理医療機器」に分類されています
コンタクトレンズは現在の薬事法では、「クラスIII」の「高度管理医療機器」に分類されています。適正に使用しないと、眼障害を引き起こす原因となりうるため、「高度管理」が必要とされているのです。
あなたのコンタクトレンズをきちんと「管理」してください。あなたの目とコンタクトレンズの定期検査を受けてください。そして、異常を感じた場合には、早めに眼科で診察を受けましょう。